さつまいもの悲劇〜最終章〜

わからないけれど、
　
冷蔵庫から無くなったのは　
事実なのであります。
　
　
　
・
・
・
　

　
東京で働いていた頃。
　

当時のお昼ご飯といえば
　
焼き芋であった。
　

　
お昼休みになると
　
近くのスーパーに買い物にいき、
　
一本204円（税込）
　
の大きい焼き芋を食べるのが日課であった。
　
　
お腹がいっぱいになる時は、　
　
一本丸々食べずに、
　
食べ残しを冷蔵庫に冷やしておくことにした。
　
冷蔵庫は現代における素晴らしい保存機械であることも
強調しておこう。　
　
　
しかし、今日は、
三種の神器・冷蔵庫の話をしたいのではない。
　　
　
冷蔵庫に置いてあった焼き芋が
無くなった大事件を取り上げたいのだ。
　

◇出来事◇

いつ:　とある日（2015年か2016年）の昼下がり
　
どこで：会社の冷蔵庫
　
何が：食べさしにしてあった焼き芋
　
どうなった：3時のおやつに食べようとしたが
　　　　　　無くなっていた　
　
誰が：謎
　
なんのために：謎
　
　
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

これは実際に起きた事実を元に書いている物語である。
　
１００歩譲って、　
　
冷蔵庫から焼き芋が無くなったことは
　
まぁよしとしよう。
　
　
しかし、氣になるのは、
　
　
【一体誰が、なんのために】
　
　
である。
　
　
同僚だろうか？
先輩社員だろうか？
　
お腹が減って思わず手が伸びてしまったのか？
　
それが知りたいのである。
　
　
もう、良いんだ。
　
焼き芋が無くなったことはもういい。
　

私の関心は、
　
【一体誰が、なんのために】

だ。
　
別に責めるつもりもない。
　
お腹が減っていて食べたのなら
　
良いじゃないか。
　
僕の冷やして置いた焼き芋が誰かの役に立った
　
ということであるし
　
僕も社会人になったのだから
　
楽しみにしてあったデザートが
　
無くなったくらいで自分を失ってはならない。
　
　
そう思いながら
　
再び仕事に戻った。
　
　
　
仕事が終わったら上司に相談しよう。
　
　
きっと、事件解決のヒントをもらえるはずだ。

　
しかし、事件は思わない方向で
収束する。
　
　
リロン♪
　
社内メールが回ってきた。
　
　

＝＝【衛生管理部より報告】＝＝
　
本日は、たまに行う、社内美化チェックの日です。　
トイレや休憩室などを点検し、
皆様が快適に過ごしていただくよう活動しております。
　
ありえないことが起こりました。
　
休憩室の冷蔵庫の中に、　
　
半分だけ食べられた焼き芋が
　
ポツンと置かれていたのです。
　
　
冷蔵庫に入れるものには
　
・名前を書く、日付も書く
・保存容器に入れる
　　
がルールとなっております。
　
故、

ルール違反の焼き芋は、、、
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

捨てました。
　
　
　
　
ちなみにこちらがその焼き芋写真です。
　
改めて冷蔵庫の使い方に
　
注意を向けてください。
　
　
それではまた。
　
　
衛生管理部より
　
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なんということだ。

私の行方不明であった焼き芋は、
　
　
誰かのお腹を満たして
　
無くなったのではなく、
　
　
【純粋に捨てられた】のである。
　
　
しかも、
　
私の食べさしの焼き芋が
　
メールに写真で添付されていた。
　
　
これは、現代における
　
【晒し芋】状態

に他ならない。

　
焼き芋氏に
　
大恥をかかせてしまった…
　
　
社内メールなので
　
たくさんの人に焼き芋氏の姿を
　
晒してしまった…
　

　
私の責任は重大である。
　
　
　
あの事件から数年経った今現在。　
　
　
さつまいもの悲劇を教訓として
　　
　
　
☆焼き芋は冷やしても美味しいこと
　
　
☆身に覚えのない冷蔵庫のデザートは
　勝手に食べないこと、捨てないこと
　　
　
☆名前を書いて冷蔵庫にしまうこと
　
　
を書き残すことで、　
　
　
誰の役に立つことなく
　
　
捨てられてしまった
　
　
あの日の芋が
　
　
役に立つ日がきますように。
　　
　
　
願いを込めて。
　
　
　
＝まなべ農園　真鍋和孝＝
　

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