今回は、
肥料のあれこれ(価格、使用量、輸入国)
について一回見ておきたい。
なぜ見る必要があるかというと、
日本農業を大きな視点で観察するにあたって
避けては通れない道だからだ。
 
 
国内で生産されている野菜や米、果物の
ほぼ全ては肥料を投入されて栽培されている。
 
 

 
 
スーパーに並んでいる野菜を見れば
無肥料で育てられた野菜などほぼない
ことがわかるだろう。
 
ちなみに、まなべ農園は、
無肥料である。その辺に生えている草を
使うことはあるが、
外部から肥料(化学、有機問わず)
を投入することはない。
 
草も肥料といえば
肥料の部類に当たるかも
しれないが、
外部から取り入れるのではなく
その辺にあるものでどうにかする
ということ。
 
ただし、
農業資材は外部から持ってきて
いることもご報告申し上げる次第だ。
  
 
だから栽培者としての自分にとって、
肥料の価格がどうなろうと
肥料輸入がストップしようと
関係ないけれども
 
消費者としての私は、
肥料を使った野菜や米を食べているので
大いに関係する
 
 
肥料はどこからやってきて
その価格はどのように推移しているのか
について数字を見てゆきたい。
 
なお、今回参照した資料は
農林水産省H29年10月作成
肥料をめぐる事情
である。

 
肥料は化学肥料、有機肥料とに
大別されるが、
今回の投稿ではざっくり全体像を
眺めることを目的としているため
詳細な定義は無視している 🙂 
 

肥料ができまで

肥料自体はその辺に
転がっているわけではない。
 
原油や天然ガス、鉱石など
から「あれこれ 😛 」して
肥料ができる。
 
「あれこれ」の過程は
難しいので話すのをやめる 😉 。
 
一つ思ったのは、
肥料自体を作るのもすごく大変な
エネルギーを使っているのではないか、
ということだ。

どのくらい大変なのかは
今回はスルーする。
 
重要な事実は、
 
肥料の原料のほぼ大半
を輸入に頼っている
、という
ことである。
 
外国から原料を輸入して
国内で肥料会社が製造している
という流れである。

使用量

国内全体で肥料の使用量を
みてゆきたい。
 
そういえば、使用量が
増えているのか減っているのか
知らなかった。
 
結論からいうと、
 
日本国内全体での使用量は
減っている
 
平成7年(1995)に
1,625千トンあった国内需要量は
 
36%減少
 
平成26年には(2014)には
1,037千トンにまで減っている。

これには、いくつか理由があって
大きな理由の一つが作付け面積の
減少である。
使われる畑が少なくなれば
そりゃ、
肥料も使われなくなるわけで
ある。
 
作付け面積
平成7年4,920千ha
 
15%減少 

平成26年4,146千ha

 
米10aあたりの施肥量
平成7年26.88kg
 
32%減少
 
平成26年18.25kg
 

 
こんな具合である。
 
 
肥料の使用量が減ったのは
単に、
作付け面積が減少しただけではなく、
栽培技術の発展もあって
より効率的に施肥を行い
今までよりも少なめの肥料で
栽培ができるようになったから
 
でもある。
 

価格推移

肥料の製造コストの約6割を
原材料費が占めている。
 
冒頭で申し上げた通り、
 
原材料は、大半輸入に頼っている。
地球から採掘するので
供給量も限られている。
 
ちなみに、

りん鉱石で約260年
塩化加里で約310年
 
採掘可能だそう。
まだまだある(笑)

あとは、為替の影響も受けたり
原油価格の関係
するのかな?
 
世界情勢に仕入れ価格が
左右されそうである。
 

平成19年の肥料価格を100とした場合
平成28年の肥料価格は140近くになる。
 
10年で1.4倍になった。
 
肥料をどの程度畑に投入するのかは
栽培作物によって異なる。
 
例えば、
田んぼの場合、
10aあたり8,822円
経営費に占める肥料の割合は
10%程度
 
 

 
 
畑の場合
10aあたり16,200円
経営費に占める肥料の割合は
17%程度
 
 

まとめ 

数字でみると客観的に
観察できるので面白い。
 
ここから食料自給率の話に
つなげていきたいがまた
今度にしたい。
 
いずれにせよ、
不測の事態が起き、
輸入がストップしたら
国内産の食べ物だけで
どうにか生きていかねばならない。
 
となれば、
 
肥料や農薬などに頼らない
栽培技術も確立しておく
必要がある。
 
ただ、どんなに頑張って
野菜を作ってもそれを運ぶ
燃料も備蓄がなくなれば
みんな餓死しちゃうんだ。
 
 
おしまい。