さつまいもには多くの種類があります。
中身の色も紫やオレンジ、白っぽいものなど
カラフルに展開しております。

当園でも26種類のお芋を栽培しておりました。
 
今回はその中でもオレンジ色のさつまいも
ベニキララ
スポットライトを当て、
新たな魅力を発掘していきます。

ベニキララ

普段なら焼き芋にして味わい
お伝えするのですが
今回は、栄養面からのアプローチです。

ベニキララ 
 

さつまいもの栄養情報はさまざまなところで
語られています。

この記事が特別なのは、まだGoogleの海に
泳いでいない情報があるからです。
(ベニキララ 栄養 と検索した結果を元に)
 
 
オレンジ色のさつまいも『ベニキララ』
には、

βカロテン 7830μg/100g
高速液体クロマトグラフ法、皮を残し、両端を含まない状態で検査)
(成分量の単位 マイクログラム「μg」 は100万分の1グラムを表します)
(以下、出てくる数値はすべて100gあたりの含有量)

が含まれていることがわかりました。
 
  
成分分析するにあたった経緯をお伝えしながら
この数字の意味するところをお伝えしていきます。

成分分析するにあたった経緯

 
私の興味分野の一つに、肉体作りがあります。
栄養あるものを食べて体のコンディションを整える分野。
以前は、
筋トレに精を出し、雑誌モデルにも起用されました。
 
その頃から食べ物に
どのような栄養素があるのか
を勉強しつつ、カラダ作りに生かしています。
 
さつまいもを食べるときも
美味しいのはもちろん、この芋は体内で
どのように役立つのだろうと関心があります。
 
オレンジ色のさつまいもを食べたときに感じた
 
いかにも、健康そうな色、
いかにも、体に染み込んでくる味
 
を数字として確認しておきたかったのです。
 
一言に栄養といっても
さまざまな成分があります。
すべてを事細かに調べることは難しいので
ある一つの栄養素に絞って
検査することにしました。
 
それは、
 
βカロテン
 
です。

βカロテンの主な役割は、体内の活性化酸素を減らす抗酸化作用に
あります。免疫機能やお肌の健康維持にも役立っています。
(参考:厚生労働省、わかさ生活HP)

なぜ、数ある栄養素のうちβカロテンに
絞ったかといえば、
 
勝ちたかったからです。
 
言いたかったからです。
 
芋にも 
ニンジンやカボチャの緑黄色野菜に負けない
栄養素が含まれていると。
 
緑黄色野菜は、

ほうれん草・にんじん・かぼちゃなど、カロテンを可食部100g中に600μg以上含む野菜の総称。

と定義されています。
 
さつまいもにも緑黄色野菜の
側面があるとアピールできれば、
 
さつまいもすごいやん
と魅力をさらに掘り起こせるのではと
考えました。
 
以上の理由から
 
ベニキララのβカロテン含有量を調べました。

一般的なさつまいものβカロテン

一般的なさつまいも(皮が紅色で中身が黄色)
にはどの程度含まれているのでしょうか。

食品成分データベースによれば、
 
・さつまいも/塊根/皮つき/生
 βカロテン 40 μg

とあります。

ライバルであるニンジンやカボチャは、
 
 
・にんじん/根/皮つき/生
 βカロテン 6900 μg

・西洋かぼちゃ/果実/生
 βカロテン 3900 μg
 
 
です。
 
一般的なさつまいもに比べると
圧倒的な点差で負けてしまっています。
 
一矢報いるために、ベニキララの
成分分析結果の登場です。
 
 
・ベニキララ/皮付き/生
 βカロテン 7830 μg
 
 
なんてことでしょう。
皮付き、生、状態で比較すると
 
ライバルのニンジン、
永遠のライバルのカボチャ、
ともに引き離しています。
 
一般的な芋に比べるとその差は、
 
195倍
 
 
19.5kgの芋を食べなければ
摂取できなかった栄養成分*1が
ベニキララであればたった100gで
摂取できることがわかりました。
 
もしかしたら、

全食品の中ではトップクラス?

と欲を出し調べてみることにしました。
 
 

残念ながら一位ではなかったです。
 
皆さんご存じ、圧倒的一位は、
 
藻類に属する

 
 
ほしのり
38000 μg
 
 
 
です。さすがは海の幸。

桁違いの強さで悔しさも
湧き上がってきません。
 
9位にランクインしていたのが
 
にんじん/根/冷凍/油いため
11000 μg
 
です。
 
ライバルのニンジンは、 
冷凍されて、油いためされて
パワーアップされています。

ベニキララも 
冷凍して油炒めしたら
パワーアップするのではないか。
 
いつの日かまた調べてみようと思います。

この数字の意味するところ

もし、
日本国内だけで食料を自給しなければ
ならない日が来たら、
ベニキララはβカロテン摂取に大いに役立つ
と考えられます。
 
ニンジンやカボチャのタネは海外からの輸入に
頼っています。
さつまいもは、
国内でタネを増やせます。
 
有事の際、食糧供給の面でも
ベニキララは役に立つでしょう。
 
 
と、ここまで書いて我にかえりました。

数字の意味するところを一所懸命考えても
「だからなに?」
としか言いようがないのです。

私は、ただただ
優越感に浸りたかっただけだと気づきました。
 
他の野菜を勝手にライバル視して
 
勝った!
 
と独りよがりな成分分析だったなと
振り返っています。
 
ニンジンはニンジン
カボチャはカボチャ
芋は芋。
 
冷凍されて油炒めされても

ニンジンはニンジン
カボチャはカボチャ
芋は芋。
 
  
自分の好きなものを食べて
健康に過ごせるのであれば、
それがよいことだと思います。
 
芋好きな方はぜひ
ベニキララも食べてみてください。
 
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
 
おしまい。

=付録=
 
100gあたりのβ-カロテン単位 μg

あまのり ほしのり 38000
さつまいも 生・皮付き 40
ベニキララ 生・皮付き 7830
ニンジン 生・皮付き 6900
カボチャ 生・皮付き 3900
ニンジン 冷凍・油炒 11000

 
*1
βカロテンをベニキララ並に
摂取しなければいけないと仮定した場合
 

=次回予告=
 
ふくむらさき」のアントシアニン
含有量を調べてみた結果…
 

参考サイト

わかさの秘密 Powerd by わかさ生活
https://himitsu.wakasa.jp/

食品成分データベース 文部科学省
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl

成分分析していただいた会社さま
株式会社メディカル青果物研究所 
https://www.d-medical.co.jp/

 
追記
気持ちのこもったベニキララ一個体を
検査しました。