菜暦書② まなべ農園の仲間たち

前回に引き続きまなべ農園の仲間を紹介します。
今回登場するのは「白小豆ちゃん」です。
そういえば、野菜に「さん、くん、ちゃん」をつけていますが毎回という訳ではありません。
普通の会話では「白小豆」と呼び捨てにする時もあります。

と、いうことで、
まなべと白小豆のエピソードをどうぞ。

・・・
僕が上京し、新人研修を受けていた頃の話です。
時は、2015年5月。
和菓子の製造研修を受けていました。
そこで、僕は一目惚れしてしまいました。
美人の職人さんに。
ではなく、

「白餡」

にです。

もう一度。
僕は研修で一目惚れをしました。
美人の職人さんに。
ではなく、

「白餡」

にです。

製造研修では、白餡の食べ比べをしました。
(もちろん、それだけではないですよ笑)
原材料の豆の違いが餡子の味にどう影響するか
それを知るためでした。
白餡と言えば、白い豆から餡子を作ったのだろうと
多くの方は想像されると思います。
ただ、白い豆にも色々種類がある訳です。

ここではわかり易く、白小豆と白インゲン豆との二種類の餡を例に取ります。
一言で言えば、豆が変われば、餡の味も大きく違ってくると言うことです。
職人さんが白小豆だけの餡と白インゲン豆だけの餡を作ってくれました。それを食べ比べたわけです。僕は、あの時の衝撃が忘れられません。

白インゲン豆の方は、確かに餡子は餡子なのですが、豆臭さもあり、
舌にへばりつく感じで口溶けが悪い餡でした。

振られても諦めきれずネチネチと女性にアプローチし続ける男性のイメージです。
一方、白小豆は、正反対で、あの香り高さとさらっとした味わい。
美女がいい香りを出しながら目の前を通り過ぎたイメージです。

そうなんです。
僕が一目惚れをした白餡というのは
白小豆から作られた白餡なのです。

もちろん、餡子の用途によって原材料の豆は使い分けるので
インゲンがNG、白小豆が正解!
とう話ではありません。どちらも素晴らしいのです。
例えば、羊羹にする場合、
白小豆餡だけよりもインゲン豆をブレンドした餡子を使ったりします。
そのほうが羊羹らしい食感が得られるからです。
そこも和菓子屋さんのこだわりが詰まっているところだと思います。

僕が一目惚れした白小豆の白餡。
残念ながら、スーパーやコンビニでは、置いていません。和菓子屋でも扱ってる所は少数派でしょう。
こんなに美味しい白餡があるのに知らない人がいるのはもったいない。
更に残念なのは、白インゲン豆白餡しか食べた事ないのに、それが気に食わないから和菓子自体を嫌いになってしまう事です。

更に更に残念なのは、どうして白小豆餡は駆逐されたのかという考えを放棄してしまうことです。

簡潔に申し上げれば、白小豆は、栽培が難しく、収量がほかの豆に比べて上がらないのが現状です。日本でも生産量は限られています。
なので、
豆自体の価格が高くなる→
出来るだけ原価を安くしたい和菓子製造会社では扱えない→
安い豆を使った餡ができる→
消費者も安いものを求める→
売れる→安い豆でいいやんってなる

ほんまに美味しい餡が無くなる

嗚呼何と悲しきことかな…
これは、アカン!どうにかせな。

僕は、白小豆に一目惚れしたのです。
よし!自分で栽培しよう。
なので、こっそり去年から白小豆の栽培をしています。種を取り今年も栽培しました。
収穫も終わりました。これも来年の種にします。
来年、素晴らしい白小豆を少しでも世に出せればいいなぁと思ってます。
というか、世に広めます!!
菜暦書①で、紹介した大納言小豆を購入したお店(野口のタネ http://noguchiseed.com/hanbai/)でタネを買ってきました。

・・・

という感じです。
過去にも一度、登場した文章もあります。
その時は良い本なのに売れないからという理由で絶版になっている本がたくさんある
という投稿をシェアしたものでした。
本に限らず、豆の世界も同様です。
豆に限らず、本物、良いものは後世に伝えていきたいものです。