A鷄A鷄

狭いと思うのは僕だけ?

鶏C「うん??狭い?ってなんですか?」

 

 
 

A鷄A鷄

僕は昨晩夢を見ていた。

この世にはのびのびと砂遊びが
できる場所があるということ。

蛙やコオロギというご馳走もあるということ。

 

夢の中で初めて「広さ」という世界を知った。

もしかしたら、
 
本当にそんな世界があるのかもしれない。

 

でも、仲間鶏に話しても、

それは夢の中の話だよ。

と軽く受け流された。
 

きっとみんなの中には

広い世界も狭い世界もなくて

今住んでいる世界しか存在していない
 
僕も夢を見るまではそうだった。
 
 

皆、餌をたくさん食べる。

泣く泣く食べさせられているように感じた。

僕は少食だけれど食わないとしばかれる。

しばかれるのは嫌だ。

だから食べる。
 
そしてぷくぷく太ってこの様さ
 

 

身が重いし、
こんな狭いスペースじゃ満足に運動もできやしない。

そしてみんな一ヶ月半も経てば
ここからいなくなるんだ。

もちろんその中に

僕も含まれている。


 


 


 

 

 

その時がやってきた。

仲間鶏が次々と捕まえられてゲージに詰め込まれる。

これが本場の満員電車だ。
 

鶏D「コケ~
 

鶏A『どうした?』
 

鶏C「これが君の言っていた外の空氣なのね。

   少しだけど味わえてよかった。また真っ暗になったよ。

   私たちはどこへゆくの?
 
 

そんなの決まっているじゃないか。

これから工場に運ばれて

首をちょん切られるのさ。

この先はどうあがいても死が

待っているよ。

 

くちばしまで出そうになった言葉を

僕は言わずに黙っていた。
 
 

鶏E「美味しい餌場があるところに、

  移動すんだよ。今はトラックの中。

  俺たちはみんなお利口さんにしていた。
  
  だから、
  
  もっと美味しいものを食べさせてくれる

  場所に連れて行ってくれるのさ。
 

鶏F「伝説の”さつまいも”ってやつも食べられるの?」
 

鶏G「何だよそれ
 

鶏H「この前、ネズミ君がこっそり教えてくれたよ。

   土の中に甘い食べ物があって食べ放題らしい。

   しかも、便通も良くなるってだよ。
 

鶏I「やった!とても楽しみだね!
 


 


 

 

鶏J「何時間移動するんだ?!、

  暗いし、腹減ったし、
  
  好きな子、別ゲージ

  に入れられたし、もう嫌」
 

鶏K「ドンマイやね。俺は同ゲージだ。

   餌を食っている時から
   ずっと一緒にいたからな。


 

もう何時間も走っている。

きっと外は真っ暗で

綺麗な星空が輝いているのだろう。

僕の目は悪いから見えるかどうかは

わからない。
 

けれど、僕らが住んでいたお家は、

夜空を眺めることすら許されなかった。

 

ふぅ。

だんだん眠くなってきちゃった。

最期の眠りにつく前に、

最後にもう一回だけぐっすり寝ておこう。
 
 

寝ようとしたその時、

ドカン。

すごい音がした。

仲間鶏たちも一斉に騒ぎ始めた。

 

ガッッシャーン。

ガッッシャーン。

ゲージも音をたて騒いでいた。

 

どうやらトラックが横転したらしい。

 

反動で後ろの扉がひらいていた。

おかげさまでゲージも壊れて、

僕たちは自由に行動できる。

 

鶏L「A鶏くん、どこ行くの?

 

A鷄A鷄

ちょっと外の様子を見てくるだけさ

 

鶏L「勝手に外でちゃ怒られるよ!!
     お利口さんにしとかないと
     またしばかれるよ!!
 

『何だよ!お利口お利口って!

ちょっとくらいいいんだよ!
しばかれるのは僕でL鶏さんでは
ないから大丈夫だよ!』

 

僕は、恐る恐るトラックから

外へ飛び出していた。

 

予想通りトラックが横転していた。

 

すぐ隣に得体の知れない物体が

転がっていた。

 

何だ、この毛むくじゃらな奴は。

 

寝ているのか?

 

くちばしで突いた。

 

??「うお~、痛かった~

 

こいつは、

トラックにぶつかっておきながら

氣絶で済んだのか。

 

『君の名前は?』

 

 

イノシシです、君は鶏だね。
 どうしてトラックの中から出てくるの?
 クリスマスだからパーティーにでも行くの?

『ううん、
 これから首をちょん切られに行くのさ。』

 

イノシシ

「そこから先は言わなくてもわかるぞ。

   わいの仲間も鉄砲で打たれて頻繁に連れて行かれる。
 
 車とぶつかることもしょっちゅうさ、
 この道路を横切ればさつまいも畑への近道だからな。
 でも、こんな大きな車とぶつかるのは初めてだ。
 

僕はさつまいもという言葉に心を惹かれた。
 
今、どうして、ゲージに戻る必要があるのだろう。
お利口さんにしてたって、
この先どうせ、死ぬんだ。

 
F鶏「おかえり、A鶏くん。どうだった 😉 ?
 
F鶏さんはいつも優しく声をかけてくれる。
正直、その笑顔で話しかけられたら
世界中の鶏が君に恋をするだろう。
 
 

A鷄A鷄

イノシシって奴がいたよ。これから
 さつまいもを食べに行く途中だったらしい。
 だから僕もイノシシと一緒に芋を食べに行く


 
 
M鶏「お前、それ正氣か? 
   ネズミくんから聞いてだろ?
   外の世界には美味しい食べ物があるかもしれないけれど、
   イタチとかっていう凶暴な動物がいる!
   
   雨風を防ぐ小屋もないし
   死にに行くようなもんだぞ!
 
 
I鶏「そうよ!このままゲージに入って入れば
  また美味しい餌を食べられるのよ
  しかも今度みんなで
  デートするって約束してたじゃない!!!
 
M鶏「おいおい、一体何の話だ?
            みんなでデートってなんだよ」
 
 
I鶏「M鶏くんは黙ってて。
  A鶏くん、F鶏さんのことが好きじゃないの?
  あなたはチキンだから私が F鶏さんを
  誘って、一緒に遊ぶって言ったじゃない!」
 
 
A鷄A鷄

(君もチキンだよ)
   そ、そうだよ、F鶏さんの隣は、
   ぼ、僕がふさわしいと
   思っているよ。。。

   でも、M鶏くんとI鶏さんと
   一緒に行くのはなんかまずい氣がして


 
 
M鶏「おいおい、それはどういう意味だ
 
 
『察しろよ!F鶏さんの隣に僕がいて、
 M鶏くんとI鶏さんが
その隣にいるんだろ?
 もう、どうなる運命か決まったようなものだよ!』
 

M鶏君とI鶏さんがずっと
仲良しなことくらい知ってる。

別に羨ましくなんて思っていないけど。。。。 
  
 
I鶏「何を言っているかわからないわ!!
  ダブルデートの何がいけないのよ!
  A鶏くんの為に企画しているのに!」
 
 
L鶏「騒がしいわね。
  私がさっき、A鶏くんを
  トラックの外に出るのを制してもいうこと聞かなかった
  じゃない。A鶏くんはそういう鶏よ。
 
  しかも、私たちだって、
  本当に新しい餌場に連れて行かれているのか
  わからないわ。
 
  いいゲージに入っていい餌を食べていたら
  いい家庭を築いていけるのか、
  そんなのわからない。
 
  そうかもしれないし
  そうじゃないかもしれない。
 
  A鶏くんがさつまいもを食べに行った方が
  いいと思うのなら
  そっちにすればいいと思う。

  私たちにそれを止める権限はないわ。」
 
 
 

A鷄A鷄

L鶏さん…


 
 
僕は、正直、
F鶏さんよりL鶏さんの方が
好みだった。
 
カエルやコオロギの話をしても
L鶏さんは信じてくれた。
 
星空の話をしても見えるといいねって
励ましてくれた。
 
本当はもっと話がしたかったし、
 
僕らにとって、いい餌とは何か?
僕らにとって、いい家とは何か?
なぜ、いい餌を欲しがるのか?

 
たくさん話す約束をしていたのに、
一ヶ月半という短い期間で話が終わるはずも
なかった。
 
 

僕は、L鶏さんが
このままトラックに乗って行くことを
知っていた
 

 
そして、今、

僕も磁石のように
F鶏さんの隣に座らせようとする
空氣とやらに飲み込まれそうになっている
 
 
イノシシ
「おいおい、新しいトラックがきたぞ!
 早くしないとゲージに戻されるぜ〜」
 
 
K鶏「ほら!A鶏くん、こっちに戻ろう!
 
F鶏「 K鶏くんも言ってるじゃない!
   A鶏君の為だよ 😀
 
C鶏「そうよ!K鶏くんだって言ってるよ!
           L鶏さんよりK鶏くんの方が賢明だわ!
 
 
F鶏さんが本当はK鶏くんに
好意を寄せていることくらい僕にもわかるさ。
 
というか、付き合ってるよ。絶対。
KくんとFさん鶏はいつの時代もいいコンビさ。

 
それなのに、僕の為って言って、
たかが知鶏Aに向けられた笑顔があれなら
もう何を信じたらいいのか分からないよ。
 
C鶏さんもK鶏くんのことが
好きなのかもしれないけれど、
 
今回は諦めた方がいいと思うんだ。

 
 

あぁ、
僕もL鶏さんを諦めなければいけない
時間が来てしまったようだ。
 
 
 

 

 
 

  
鶏飼うヒト1
おい!!一羽逃げやがったぞ!
 
鶏飼うヒト2
「いいよ、そのくらい、誤差誤差
 他の鶏を見てみろ、こんなにお利口さんに
 しているじゃないか。立派なもんだ」 
 
 
 

 

 

 
僕は必死で走った。
でもすぐ疲れた。

 

イノシシ
「へい、Aチキン!疲れたのか?」

A鷄A鷄

カラダが重いけこけこ。

普段運動なんてろくにしていないし、
 

メタボなうだよ!!

休ませてけこ


 
 

イノシシは僕を

背中に乗せてくれた。
 
とても暖かった。
 
 
夜空には、キラキラ光る
星が輝いていた。
 
 
「L鶏さん、君が言ってた通りだ」
 
 
僕は、そう呟いて
 
眠りについた。
 
 
 
 


 

 
 

 
 
クリスマスチキンの作り方
 
A子
「って話があって。」
 
B男
「なんて調べたらその話が出てきたの?」
 
A子
クリスマスチキンの作り方

B男
なるほどなぁ。

 

A子
おかげでおいしく焼けたわ!
 やっぱりあのスーパーのチキンは
 いいチキンを置いてるよね!
 B男くんと一緒に選んだチキンだから
 尚更!」
  

B男
「その話聞いていて思ったけれど、
食品の裏側とか言われたりするよね、

けど、本当の裏側は僕たちが
食べているこの鶏の死だよね

この鶏は、生きている時が表だよ。
 
クリスマスチキン
 

実は裏側やと思っていたのが表で
表やと思っていたのが裏側なんかもしれん
 

A子
「なるほどね。
 美味しくチキンを食べる為に、
 

このチキンはどうやのこうやって言ったり

焼き方がどうやこうやって言ったり。
味つけがどうやこうやって言うのは、

例えば、
人の一部を切り取って

この人は「こういう人だ」と
判断しているようなものだと思うの

B男
「やっぱり、チキンがどういう風に生きて来たか
 そこ、知りたいよね。」
 
A子
会社入るときはさ、履歴書にさ
散々色々なこと書くのに。・・・
 
とか、話しているとせっかくのチキンが
冷めちゃうわ」
 
B男
そうだね、食べよう!
 
 メリークリスマス!!

 

〜美味しいクリスマスチキンの作り方〜

1.美味しそうなチキンをスーパーで購入
2.熱源を使い美味しそうに焼く
3.美味しく食べる
 

 
おしまい。

 
まなべ農園 真鍋和孝
 
=A子とB男が出てくる話=

ボンドを使わず、カットしたズッキーニを再度固定させる方法
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